仏教の天部とは? 四天王から金剛力士まで わかりやすく解説します

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寺院

天部は仏教の天界に存在し、仏教の守り神として知られています。

天部は私たちの日常生活を助けてくれると考えられ、日本では古くから信仰されています。

また、これらの神々を知ることで、寺院訪問がより豊かな体験となるでしょう。

この記事では、仏教における天部の役割や重要性について詳しく解説します。

 

天部の本質とその役割

天部はもともと、インドの神様たちでした。

これらの神々はお釈迦さまの教えを聞いて、仏教の神さまになりました。

天部には、いろいろな種類があって、それぞれ違う力を持っています。

現在でも、多くの寺院で崇拝されています。

「天」というのは神という意味で、「部」はグループという意味です。

だから「天部」は「神さまのグループ」つまり神々の集まりということになります。

 

天部のグループ

天部の神様は方位や特定の役割に応じて分類され、以下のようなグループがあります。

 

四天王

四天王は、仏教世界を守護する重要な神様で、東西南北の四方を守っています。

四天王は帝釈天の配下として、仏教の宇宙観を象徴する役割と配置を担います。

四天王の配置は以下の通りです:

– 多聞天/毘沙門天(たもんてん/びしゃもんてん):北方を守る。
– 持国天(じこくてん):東方を守る。
– 増長天(ぞうちょうてん):南方を守る。
– 広目天(こうもくてん):西方を守る。

寺院においてそれぞれの方向に配置され、仏教的な世界観を体現しています。

 

十二天

十二天は方位を守る神々として知られており、これらは如来や明王を囲む形で仏像として表現されることが多いです。

これには八天や十天といった分類が含まれ、それぞれ異なる方位を守ります。

  • 八天:八方位を守る神々
  • 十天:八方位に加えて天地を守る神々
  • 十二天:十天の十方位に加えて日月を守る神々

 

十二神将

十二神将は、薬師如来を守る守護神としての役割を持っています。

これらの神将は薬師如来の像の周囲に配置され、各神将が特定の方位を守るとされています。

 

二十八部衆

二十八部衆は、千手観音菩薩を守る28人の神々です。

千手観音の力を支え、教えを守る大切な任務を持っています。

それぞれ特別な能力を持ち、仏教のさまざまな教えを守る役割を果たしています。

また、この二十八部衆の中には、仏教の創始者である釈迦如来を守る八部衆としても活動している神々がいます。

 

金剛力士

金剛力士は、仁王とも呼ばれ、仏教で寺院を守る神様です。

彼らは悪者や魔物が寺に入ってくるのを防ぐ大切な仕事をしています。

この神様の名前は「金剛杵を持つ者」という意味で、帝釈天が魔物を退治するときに使った金剛杵からきています。

普通、寺の入り口である山門には、阿形像と吽形像と呼ばれる金剛力士の像が一対で置かれています。

 

八大龍王

法華経に耳を傾けた龍神で、仏法の守護神としても知られ天部に属しています。

 

夜叉・鬼神

インドの神話から仏教に取り入れられ、仏の教えで心を改め仏法の守護神として民衆に福をもたらすようになりました。

 

天部の神々の役割

仏教における天部の神々は、如来や菩薩とどのように異なるのでしょうか。

天部の神々は仏法を守る守護神として、仏教の教えを守る重要な役割を持っています。

仏様を守る神としても機能し、人々の救済を支援します。

元来インドの神話から来たこれらの神々は、仏教に取り入れられて福の神へと変化しました。

 

天部信仰:神々の恩恵と信仰の意義

天部信仰は、これらの神々の恩恵を受けることを目的とします。

天部の神々は私たちにとって身近な存在であり、具体的な願いに応じて驚くべき恩恵を与えるとされます。

歴史的には天皇や大名など、多くの高位の人物も天部の神々を信仰してきました。

天部の神様たちはいろいろな良いことをもたらしてくれます。

たとえば、弁財天はお金の運や芸術の技術を良くしてくれ、毘沙門天は勝つことや商売がうまくいくようにしてくれます。

さらに、日常生活で直面するさまざまな問題に対しても助けをくれます。

 

天部 仏像の分類

武人像

天部の守護神、特に四天王は、鎧を着て筋肉質の体をしている姿で描かれます。

顔にはよく怒った表情があり、手には剣や金剛杵などを持っています。

また、願いを叶える魔法のような玉、如意宝珠を持っていることもあります。

 

貴人像/天女像

天部の中には、鎧を着ていない貴人の神々がいます。

これには梵天や弁財天のような男性と女性の神々が含まれています。

女性の神々は「天女」と呼ばれ、中国の高貴な女性のような豪華な服を着て、穏やかで上品な表情をしています。

 

特異な形状の像

迦楼羅王(かるらおう)のように鳥の顔を持つ仏像など、独特の特徴を持つ像も天部にはあります。

これらの仏像や絵画を見ると、天部の神々がどのようにさまざまな文化から影響を受けて描かれているかがわかります。

 

天部の代表的な神様とその特徴

天部の神々は、それぞれ違う役割と大切な任務を持っており、天上界の28の異なる層に位置づけられています。

これらの神々は、人間界に近いものからより高い立場のものまでさまざまです。

 

梵天(ぼんてん)

梵天は、インド神話で宇宙を作ったブラフマー神から来ています。

仏教では、仏様を守る神様として、国の平和や人々の出世などの利益をもたらすとされています。

梵天は、顔が四つ、腕が四つある姿で描かれることが多いです。

 

帝釈天(たいしゃくてん)

 

帝釈天は、インド神話のインドラ神をもとにしており、雷を操る神様としても有名です。

仏教では仏教の教えを守る大切な役割を持ち、須弥山の喜見城に住むとされ、その周りは四天王が守ります。

諸願成就や縁結び、厄除け、国家安泰などのご利益があります。

 

多聞天(たもんてん)/毘沙門天(びしゃもんてん)

多聞天、または毘沙門天としても知られるこの神は、四天王の中で特に力強い存在です。

元はインド神話の財宝の神クベーラとして描かれ、財運上昇、商売繁盛などのご利益があります。

 

阿修羅(あしゅら)

阿修羅は、もともと古代メソポタミア文明の太陽神として崇拝されていた神様ですが、後にインドの神話において戦神アスラとして変わりました。

阿修羅は、特に神様インドラとの戦いで有名で、決してあきらめない強い心を持っています。

「修羅場」や「修羅の道」という言葉は、彼の戦いの様子を表しています。

仏教では、釈迦に教えられて心を改め、千手観音菩薩を守る二十八部衆の一員になりました。

奈良の興福寺にある阿修羅像は、三つの顔と六本の腕を持つ姿でとても迫力があり、その有名さから教科書にも載っています。

 

弁財天/弁才天(べんざいてん)

弁財天は、七福神の一員で、もともとは天部の神様です。

彼女の起源はインド神話のサラスヴァティで、河の神様として知られています。

普通は琵琶を弾く天女として描かれますが、昔は八つの腕を持つ武装した姿で表されることもありました。

日本では、豊玉姫や瀬織津姫と合わさり、金運上昇、蓄財、芸の上達、学業成就、福徳を得たりするなど、たくさんの良い影響を与えるとされています。

多くの神社で、これらのさまざまなご利益があると信じられています。

 

吉祥天(きっしょうてん)

吉祥天は、お金や幸せをもたらす女神で、インド神話の美と豊穣の神ラクシュミーが元になっています。

吉祥天は弁財天と同じと思われることもありますが、彼女には自分だけの特別な神様としての性質があります。

そのご利益には財運・金運上昇、五穀豊穣、商売繁盛などがあります。

 

閻魔天(えんまてん)

閻魔天、または焔摩天は、死者の世界を統治する神様で、よく閻魔大王として知られています。

この神様はインドの神ヤーマに由来し、人類で最初に亡くなった人として冥界を支配するとされています。

閻魔天は仏教の守護神でもあり、天部に所属しています。

閻魔天のご利益には、長生き、災害からの守りなどあります。

 

金剛力士(こんごうりきし)

金剛力士は、仁王とも呼ばれています。

これは仏教の守護神で、寺院に悪い人や怪物が入ってくるのを防ぐ役目を持っています。

「金剛杵(こんごうしょ)を持つ者=金剛力士」という名前は、帝釈天が怪物を退治するのに使った金剛杵から来ています。

普通、寺院の入り口にあたる山門には、阿形像と吽形像と呼ばれる金剛力士の像が一対で置かれています。

 

鬼子母神(きしもじん/きしぼじん)

鬼子母神はインド神話から来た神様で、ハーリーティーとも呼ばれています。

彼女はもともと500人の子供を持つ母親ですが、人間の子供にとって怖い存在でした。

しかし、釈迦によって一人の子が隠されたことで深い悲しみを経験しました。

その経験を経て、釈迦の教えを受け入れ、仏教に心を向けることにしました。

鬼子母神のご利益には、子授け、安産、子育ての助けがあります。

 

まとめ

この記事では、仏教における天部の役割や重要性について説明しました。

天部の神々は、四天王、十二天、十二神将、二十八部衆など異なるグループに分類され、それぞれが独自の力を持ち、仏教の教義を守る役割を果たしています。

四天王は仏教世界を守護し、天地や日月を司る十二天、千手観音菩薩を守る二十八部衆などがおり、それぞれの神々は特定の方位や役割に応じて寺院に配置され、仏教の教えや信者を保護しています。

これらの神々を知ることで、寺院訪問がより豊かな体験となるでしょう。

 

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