神社で行う「二礼二拍手一礼(二拝二拍手一拝)」は、日本の伝統的な参拝作法です。
この作法を理解し、どう行うのか、祈願するタイミングについても解説します。
「二礼二拍手一礼」の読み方と意味
「二礼二拍手一礼」は「にれいにはくしゅいちれい」と読みます。
「二拝二拍手一拝」は「にはいにはくしゅいっぱい」と読む。
作法は二度のお辞儀、二回の拍手、そして最後の一礼から構成されます。
「礼」は30度から45度の軽いお辞儀、
「拝」は90度の深いお辞儀で、
どちらも神様への敬意を示します。
「二礼二拍手一礼」の由来
この作法は明治時代に始まり、「神社祭式」という1875年の文献に初めて記述されました。
明治40年には「神社祭式行事作法」が制定され、昭和23年に現在の形に確定しました。
この作法は、神社の儀式が順序良く進むために整備されたものです。
「二礼二拍手一礼」の意味と作法
「二礼二拍手一礼」により、参拝者は神様に対する尊敬と感謝の心を形にして表現できます。
二礼
2回のお辞儀を行います。
初めのお辞儀は一般的な挨拶としての敬意を示し、2回目のお辞儀で神様への特別な尊敬を表します。
二拍手
拍手は古代から敬意を表す行為であり、2回行います。
「魏志倭人伝」にも古代日本人が尊敬する人へ拍手で敬意を示した記述がありますが、具体的な回数は明記されていません。
平安時代以降、人間同士の拍手の習慣は消失しましたが、神様への敬意としての拍手は今日まで残っています。
一礼
参拝の最後には深い一礼を行い、「お参りを終える」という意味合いの他に、「失礼します」や「ありがとうございました」、「今後もよろしくお願いします」という複数の意味が込められています。
二礼四拍手一礼(二拝四拍手一拝)
一部の神社ではより複雑な「二礼四拍手一礼」が行われ、四拍手は四季や四方向を象徴し、実りや保護を願う意味が含まれていますが、その起源は不明です。
二礼二拍手一礼 実際の手順
1. お賽銭を入れる
賽銭箱前で一礼し、賽銭を静かに優しく入れます。
2. 鈴を鳴らす
鈴の音で心を清め、神様を呼び寄せます。
3. 二礼
30度から45度のお辞儀を2回行い、神様への敬意と感謝を示します。
4. 二拍手
胸の高さで手を合わせ、右手を少し下げた状態で2回拍手し、神様への敬意を表します。
5. ずらした右手を戻し両手を揃える
これにより、神様の力を感じ取り、祈りを深めます。
6. 両手を下して一礼
参拝を締めくくる深いお辞儀をして、神社を後にします。
祈願の最適なタイミングとその方法
神社での参拝では、祈願を捧げる適切なタイミングに特定の決まりはありませんが、いくつかのタイミングがあります。
お賽銭を入れる際
一般的には、二拝二拍手一拝の間に願い事をするのは避け、お賽銭を入れる際に心の中で願いを込めるのが推奨されています。
二拝二拍手一拝を始める前
お賽銭を入れた後、具体的な参拝の作法を始める前に願い事をすると、作法中は祈りに集中しやすくなります。
二拍手が完了した後
二回の拍手が終わった後、右手を少し下げた状態で願い事をする方法があります。
二拍手後に両手を揃えた時
最も一般的なのは、拍手が終わり、右手を戻して手を揃えた時に願い事をすることです。
最後の一拝の直前
最終的な一拝をする直前、両手を横に下ろす瞬間に願い事を行う方法もあります。
全ての作法が終わった後
参拝が一通り終わった後、他の参拝者が多い場合は場所を少し移動してから祈願するのも良いでしょう。
これらの多様なタイミングがありますが、多くの参拝者は二拍手の後に手を合わせた状態で祈願します。
神様への敬意を忘れずに、謙虚に願いを捧げることが重要です。
まとめ
ここで「二礼二拍手一礼」の正しい実践方法について解説しました。
この作法がいかに神社の儀式において大切かを理解していただけたかと思います。
作法の正確性も大切ですが、それ以上に神様への敬意と感謝の心が重要です。
たとえ小さなミスがあったとしても、心からの敬意があれば問題ありません。
常に敬意と感謝を心に留めましょう。