この記事では、神社や寺院で一般的に見られる「手水舎」の重要性、様々な読み方、そして適切な使用方法について説明しています。
手水舎の意義をしっかりと理解し、正しい手順に従って使い方をマスターすることで、心身ともに清まった状態でお参りができるようになります。
「手水舎」のいろいろな読み方
「手水舎」は、通常「ちょうずしゃ」とも「てみずしゃ」とも呼ばれます。
この「ちょう」の発音は初めて聞く方には馴染みがないかもしれませんが、これは神社での参拝時によく使われる呼び方です。
ただし、「手水」を単に「てみず」と呼ぶことも一般的であり、間違いではありません。
また、「ちょうずや」「てみずや」など別の読み方も存在します。
手水舎の適切な使い方
手水舎は、参拝者が手水を使って身を清める場所です。
もともとは、神社や寺の近くの川や海で身を清めていましたが、時間が経つにつれて近隣の水源不足を理由に便利性の向上を求め、多くの神社や寺院に手水舎が設けられるようになりました。
この記事では、手水を適切に使用するためのマナーを詳しく解説し、誰もが正しく手水舎を利用できるようになることを目指します。
手水の正しい作法
手水を使う際には、基本的にひしゃく一杯の水を効果的に使い、すべての手順を適切に行います。
最初に汲んだ水を最後まで使い切ることが重要です。以下に、具体的な手順を紹介します。
参拝のための手水の使い方
神社や寺院での参拝前に手水を使って身を清めることは、現在一般的な習慣です。
正しい手水の使用方法を5つの手順で説明します。
右手でひしゃくを持ち、水を一杯くんだ後、まずは左手を洗います。
ひしゃくを左手に持ち替え、次に右手を洗います。
ひしゃくを再び右手に持ち、左手のひらで少量の水をすくい、飲まずに口をすすぎ吐き出します。
水が飛び散らないように左手で口元を覆いながら、足元の低いところで、そっと吐き出します。
ひしゃくに口を直接つけないようにしましょう。
再び左手を洗います。
最後に、ひしゃくの柄を清めるため、ひしゃくを両手で持って立て、残った水で柄を洗います。
その後、ひしゃくを裏返しにして適切な位置に縦に置きます。
これらの手順を一杯の水で行うため、効率的な水の使用が求められます。
特に口をすすぐ際には、多くの水を使わず、少量で口の中をすっきりとさせる程度に留めることが望ましいです。
また、参拝前にハンカチを手元に準備しておくと、手水を使った後の手入れがスムーズに行えます。
手水の起源とその精神性
手水舎で行われる手水の習慣は、昔からある特別な清めの儀式「禊(みそぎ)」から来ています。
この儀式は、お参りする前に自分をきれいにすることが目的です。
このことは「斎戒」と「潔斎」という難しい言葉で説明されることがあります。
「斎戒」とは、いつもとは違うきれいな場所で慎ましい生活をすることを言い、大切な祭りの一ヶ月前から始めるのが普通です。
この期間中は、肉を食べるのを控えたり、言葉遣いや服装にも気をつけます。
「潔斎」は、もっと具体的に体や心をきれいにする行動を指します。
禊を行うことによって、お参りする人は神聖な場所にふさわしいきれいな状態で参拝できるようになります。
【潔斎について】
潔斎とは、水やぬるま湯を使って体をきれいにすることを言い、普通に「沐浴」とも呼ばれています。
これは、体と心をきれいにするために行われるものです。
昔、手水舎がなかった時代には、人々は川や海で体を水につけて、体の汚れだけでなく、心の汚れも洗い流していました。
これを「禊」と呼んでいます。
時間がたつにつれて、神社や寺の近くに水が常にあるわけではなくなり、手水舎が作られるようになりました。
水が使いやすいように、また水がきれいでない場合や、体全体を濡らすのが難しい場合があったからです。
江戸時代になると、人々がよく神社や寺に参拝するようになりました。
たくさんの人が一度に川で体を洗うことができなくなったので、もっと簡単に体をきれいにできる手水舎が使われるようになりました。
現代における手水を使って体を清める習慣は、昔の全身をきれいにする禊の伝統を引き継いでいます。
まとめ
この記事では、神社や寺院に設置されている「手水舎」の重要性、様々な読み方、そして適切な使い方について紹介しました。
手水舎は参拝者が身を清めるための施設であり、その起源は古代の禊(みそぎ)儀式にさかのぼります。
読み方は「ちょうずしゃ」または「てみずしゃ」といったバリエーションが存在します。
手水舎の背景や由来、正しい使い方を理解することで、参拝者は心身ともに清められ、より厳粛な気持ちで神聖な場所に臨むことができます。